カオリンタウミさんは、もう亡くなられた詩人さんです。
わたしは、東京で詩や小説の勉強会にでていたとき、この詩を知りました。
テキストとして、プリントされたものが手元にあり、今回、紹介させていただこうと思いました。
著作権がどなたにあるか、わからなかったので、掲載をためらいましたが、
いま「必要な詩」だと感じたので、載せさせていただきます。
もし、どなたかに、ご迷惑をかけていたら、削除させていただきますので、ご連絡ください。
わたしたちは、こんなふうに生きているのではないでしょうか。
ゆっくりゆっくり読んでみてくださったらうれしいです。
感じてみてください。
『ほんとうに ちいさなこどものための ゴスペル』
きぼうをもったかなしいこえで
ママがうたうこもりうたは
ふゆのよるのやみのなかで
とてもしずかにひかっていた
ねえママ
カンガルーのおやこは
どうやってねむるんだい?
なにいろとなにいろをまぜれば
とうめいになるんだい?
ふしぎはふしぎのまま
おとなになるんだよね
さみしいひとは かみさまにかたりかけ
まずしいひとは かぞくとかたりあう
たびにでるひとがいて
はたけにくわをおろすひとがいて
こうじょうのしょくどうにならぶひとがいて
かえりをまっているひとがいる
ねえママ
ひるま はらっぱで
クローバーのはなをつんでいたら
はちにさされちゃったんだ
いっしょうけんめいはなをみてたから
はちがいるなんてきがつかなかったんだ
でもさあ
いたいのはきっといまだけ
あさがきて
すこしずつはれがひいていけば
またでかけていくんだ
こんどはすこし
ちゅういぶかくなってね
よわさはよわいままで
とじこもってるなんてたまらないから
かなしいきもちはどこからくるのか
いかりやにくしみのしんげんちは
いったいどこなのか
ほんとはだれもがしっているはず
だから もうすこしのあいだ
こうやって
ぼくのむくむくのこぶしを
やさしくりょうてでつつんでいて・・・
てぶくろみたいできもちいいんだ
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